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論文

Breakdown of linear spin-wave theory and existence of spinon bound states in the frustrated kagome-lattice antiferromagnet

Mattan, K.*; 小野 俊雄*; 河村 聖子; 中島 健次; 南部 雄亮*; 佐藤 卓*

Physical Review B, 105(13), p.134403_1 - 134403_8, 2022/04

 被引用回数:3 パーセンタイル:48.5(Materials Science, Multidisciplinary)

スピン1/2のカゴメ格子反強磁性体Cs$$_{2}$$Cu$$_{3}$$SnF$$_{12}$$の磁気励起について、高分解能飛行時間法中性子非弾性散乱実験によって調べた。フラストレートしたカゴメ格子反強磁性体に特徴的な平坦なモードや低エネルギー側の強い分散を持つモードは線形スピン波理論で記述できる。しかし、一方で、9-14meVの領域にある分散を持つ強度の弱い3つのモードについてはそれが破綻する。この3つのモードについては、ゾーン中心から離れるか温度を上げるかすると自由スピノンに崩壊して連続励起になる2スピノン束縛状態と思われる。

論文

中性子(東海村): 中性子利用研究の新展開; 大型定常中性子源(JRR-3)と大強度パルス中性子源(J-PARC MLF)の協奏時代の幕開け

武田 全康

ぶんせき, 2021(11), p.611 - 615, 2021/11

東日本大震災の影響で10年にわたり運転を休止していた研究用原子炉JRR-3が2021年2月に運転再開したことにより、大強度陽子加速器実験施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)の大強度パルス中性子源と大強度定常中性子源(研究炉)の両方を利用することのできる中性子科学推進の場が茨城県東海村の日本原子力研究開発機構原子力科学研究所の敷地内に実現した。本解説では、それらの施設の特徴とそこに設置されている装置群を紹介する。

論文

Strong lattice anharmonicity exhibited by the high-energy optical phonons in thermoelectric material

Wu, P.*; Fan, F.-R.*; 萩原 雅人*; 古府 麻衣子; Peng, K.*; 石川 喜久*; Lee, S.*; 本田 孝志*; 米村 雅雄*; 池田 一貴*; et al.

New Journal of Physics (Internet), 22(8), p.083083_1 - 083083_9, 2020/08

 被引用回数:8 パーセンタイル:58.58(Physics, Multidisciplinary)

熱電材料SnSeは、過去数年間で世界的な関心を呼び、その固有の強い格子非調和性は、その優れた熱電性能の重要な要素と見なされている。一方、SnSeにおける格子非調和性の理解は、特にフォノンダイナミクスがこの動作によってどのように影響を受けるかに関して、依然として不十分である。そのため、中性子全散乱,非弾性中性子散乱,ラマン分光法、および凍結フォノン計算により、Na$$_{0.003}$$Sn$$_{0.997}$$Se$$_{0.9}$$S$$_{0.1}$$の格子力学の包括的な研究を行った。格子非調和性は、対分布関数,非弾性中性子散乱、およびラマン測定によって確かめられた。熱膨張と多重フォノン散乱の影響を分離することにより、後者は高エネルギー光学フォノンモードで非常に重要であることがわかった。フォノンモードの強い温度依存性は、この系の非調和性を示している。さらに、我々のデータは、Sドーピングにより、高エネルギー光学フォノンの線幅が広がることを明らかにした。私たちの研究は、SnSeの熱電性能は、フォノンエンジニアリングを介して格子熱伝導率への高エネルギー光学フォノンモードの寄与を減らすことによってさらに強化できることを示唆する。

論文

$$q$$=0 long-range magnetic order in centennialite CaCu$$_{3}$$(OD)$$_{6}$$Cl$$_{2}$$ $$cdot$$ 0.6D$$_{2}$$O; A Spin-$$frac{1}{2}$$ perfect kagome antiferromagnet with $$J_{1}$$-$$J_{2}$$-$$J_{d}$$

飯田 一樹*; 吉田 紘行*; 中尾 朗子*; Jeschke, H. O.*; Iqbal, Y.*; 中島 健次; 河村 聖子; 宗像 孝司*; 稲村 泰弘; 村井 直樹; et al.

Physical Review B, 101(22), p.220408_1 - 220408_6, 2020/06

 被引用回数:22 パーセンタイル:80.38(Materials Science, Multidisciplinary)

鉱物センテニアライトCaCu$$_{3}$$(OD)$$_{6}$$Cl$$_{2}$$ $$cdot$$ 0.6D$$_{2}$$Oの結晶構造と磁気構造をシンクロトロンX線回折と中性子回折測定に密度汎関数理論(DFT)と疑似フェルミオン汎関数繰り込み群(PFFRG)の計算を組み合わせることで調べた。CaCu$$_{3}$$(OD)$$_{6}$$Cl$$_{2}$$ $$cdot$$ 0.6D$$_{2}$$OではCu$$^{2+}$$イオンは反強磁性$$J_{1}$$と幾何学的に完全なカゴメネットワークを形成する。Cu$$^{2+}$$とCa$$^{2+}$$イオン間のサイト間無秩序は見つからなかった。CaCu$$_{3}$$(OD)$$_{6}$$Cl$$_{2}$$ $$cdot$$ 0.6D$$_{2}$$Oは$$T$$$$_{rm N}$$=7.2K以下で磁気秩序を示し、負のベクトルスピンキラリティーを持つ$$q$$=0の磁気構造が現れる。0.3Kでの秩序モーメントは0.58(2)$$mu$$Bに抑えられている。我々のDFT計算では、この系が量子臨界点の近くにあり、$$J_{1}$$-$$J_{2}$$-$$J_{d}$$カゴメ反強磁性体の優れた実現であることを示唆している。

論文

物質・生命科学実験施設におけるパルス整形用低放射化中性子吸収材Au-In-Cd合金の開発

大井 元貴

四季, 43, P. 3, 2019/06

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)では、減速材集合体の放射能低減のための低放射化中性子吸収材として、Au-In-Cd合金の開発を行い、反射体および減速材2号機において実用化した。合金中のインジウムの分布を確認する手法として、パルス中性子イメージングの手法を採用し、インジウムの共鳴ピークに焦点を当てることにより、個別の元素分布を非破壊で測定し、合金が均一であることを確認した。

論文

Materials and Life Science Experimental Facility (MLF) at the Japan Proton Accelerator Research Complex, 2; Neutron scattering instruments

中島 健次; 川北 至信; 伊藤 晋一*; 阿部 淳*; 相澤 一也; 青木 裕之; 遠藤 仁*; 藤田 全基*; 舟越 賢一*; Gong, W.*; et al.

Quantum Beam Science (Internet), 1(3), p.9_1 - 9_59, 2017/12

J-PARC物質・生命科学実験施設の中性子実験装置についてのレビューである。物質・生命科学実験施設には23の中性子ビームポートがあり21台の装置が設置されている。それらは、J-PARCの高性能な中性子源と最新の技術を組み合わせた世界屈指の実験装置群である。このレビューでは、装置性能や典型的な成果等について概観する。

報告書

極低温水素システムヘリウム冷凍機の不具合調査と対策

麻生 智一; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; 青柳 克弘*; 武藤 秀生*; 野村 一隆*; 高田 弘; 池田 裕二郎

JAEA-Technology 2017-021, 75 Pages, 2017/08

JAEA-Technology-2017-021.pdf:33.03MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源では、冷中性子用減速材として液体水素を用いている。2015年1月頃から液体水素を生成するヘリウム冷凍機において、熱交換器及び80 K活性炭吸着器(ADS)の差圧が上昇する事象が現れ始め、2015年11月には冷却性能の低下を引き起こすまでに進展した。この不具合の原因を究明するために冷凍機内の目視確認や循環ヘリウム中の不純物分析を行った。原因となる不純物は検出できなかったが、配管内にわずかに油の痕跡があった。他施設の同規模の冷凍能力を持つ冷凍機の不具合事例も参考にして、熱交換器の洗浄やADSの交換を行った結果、冷却性能は回復した。熱交換器を洗浄した液やADSの活性炭とそれを抑えるためのフェルトから油を検出した。特にADSのフェルトではヘリウムガス入口表面に膜状の油の蓄積が確認できた。ヘリウムガス中に含まれる油分は設計範囲の10ppb程度であったが、長期間の運転の結果、ADSのフェルト部への蓄積により差圧を発生させ、それが性能劣化をもたらした可能性があると推測している。今後さらに調査を進め、原因をより明確にする必要がある。

論文

Spontaneous decays of magneto-elastic excitations in non-collinear antiferromagnet (Y,Lu)MnO$$_{3}$$

Oh, J.*; Le, M. D.*; Nahm, H.-H.*; Sim, H.*; Jeong, J.*; Perring, T. G.*; Woo, H.*; 中島 健次; 河村 聖子; Yamani, Z.*; et al.

Nature Communications (Internet), 7, p.13146_1 - 13146_6, 2016/10

 被引用回数:56 パーセンタイル:86.85(Multidisciplinary Sciences)

(Y,Lu)MnO$$_{3}$$において、磁気励起とフォノンが結合する磁気弾性励起を中性子散乱により観測し、その量子的振る舞いを調べた。

論文

Difference in the hydration water mobility around F-actin and myosin subfragment-1 studied by quasielastic neutron scattering

松尾 龍人; 荒田 敏昭*; 小田 俊郎*; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥; 藤原 悟

Biochemistry and Biophysics Reports (Internet), 6, p.220 - 225, 2016/07

Hydration water is essential for a protein to perform its biological function properly. In this study, the dynamics of hydration water around F-actin and myosin subfragment-1 (S1), which are the partner proteins playing a major role in various cellular functions related to cell motility, was characterized by incoherent quasielastic neutron scattering (QENS). The QENS spectra of hydration water around F-actin and S1 provided the translational diffusion coefficient, the residence time, and the rotational correlation time. The differences in these parameters indicate a significant difference in mobility of the hydration water between S1 and F-actin: S1 has the typical hydration water, the mobility of which is reduced compared with that of bulk water, while F-actin has the unique hydration water, the mobility of which is close to that of bulk water rather than the typical hydration water around proteins.

論文

Spin model of O$$_{2}$$-based magnet in a nanoporous metal complex

左右田 稔*; 本間 勇紀*; 高見澤 聡*; 河村 聖子; 中島 健次; 益田 隆嗣*

Journal of the Physical Society of Japan, 85(3), p.034717_1 - 034717_9, 2016/03

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.46(Physics, Multidisciplinary)

ナノポーラス金属化合物Cu-${{it trans}}$-1,4-cyclohexanedicarboxylic acid (Cu-CHD)に吸着させた酸素分子について、この系で実現している酸素分子磁石の様相を探るため中性子非弾性散乱実験を行った。その結果、これまで得られている磁化曲線等を説明可能な微視的パラメーターを得ることができた。

論文

中性子実験装置J-PARC編,2; 中性子反射率計; J-PARCにおける中性子反射率計SOFIA/写楽

山田 悟史*; 武田 全康; 山崎 大

波紋, 24(4), p.288 - 295, 2014/11

中性子反射率計は複合高分子界面構造や水面の高分子膜の形態観察、またトンネル磁気抵抗素子等をはじめとする磁性多層膜の界面磁気構造観察など、特にソフトマターの分野において他の方法では決して行うことのできない、ユニークかつインパクトの大きな成果を生み出してきた。しかしながら過去において日本での実験環境は恵まれているとは言い難く、KENSやJRR-3といった既存の施設における中性子反射装置では数インチの大きな基板に作製した試料と、数時間$$sim$$数十時間オーダーの測定時間が必要であった。また、測定可能なダイナミックレンジも5桁程度で、測定時間と共に海外の装置と比較して大きく見劣りするスペックであった。ところが、この状況はJ-PARCの登場により一変した。本稿が、J-PARCに設置された2台の中性子反射率計SOFIAと写楽(SHARAKU)について紹介し、反射率計の利用を検討している研究者の一助となれば幸いである。

口頭

Current status of the new polarized neutron reflectometer SHARAKU at Material Life Science Facility (MLF)

武田 全康; 山崎 大; 曽山 和彦; 藤 健太郎; 山岸 秀志*; 片桐 政樹*; 坂佐井 馨; 水沢 多鶴子*; 宮田 登*; 笠井 聡*; et al.

no journal, , 

SHARAKU is the second neutron reflectometer of MLF, and open to the general users from the 2011B user beamtime period. This reflectometer focuses on solid-state physics, particularly on magnetism in contrast with the first neutron reflectometer (SOPHIA) whose main subject is the soft matter science with capability of free surface and interface investigation. Thus this reflectometer was designed as the polarized neutron reflectometer with the vertical sample geometry, and is capable of the full neutron spin polarization analysis of the reflected neutrons using the Fe/Si supermirror polarizer and analyzer. Current status of SHARAKU will be reported in the symposium.

口頭

J-PARC物質・生命科学実験施設における中性子実験装置遮蔽体の性能評価

大井 元貴; 原田 正英; 甲斐 哲也; 相澤 一也; 佐藤 浩一; 増山 康一; 春日井 好己

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)では、大強度の3GeV陽子ビームを用いて発生した中性子およびミュオンを用いて物質科学・材料科学等の実験を行っている。MLFでは、施設の運用開始から段階的にビーム出力を増強しており、2014年3月には約300kWの陽子ビーム出力で運転を行っていた。最終的には1MWの陽子ビーム出力を目指しており、今後のビーム出力の増加を進めるにあたり、利用実験に供している中性子実験装置(20台)について、実際の中性子ビームを用いてその遮へい体の遮へい性能を評価した。その結果、20台中16台の中性子実験装置で、遮へい体表面の線量が十分に低いことを確認した。残り4台の中性子実験装置では、特定のビーム条件において、遮へい体表面で高い線量が生じることを確認した。それらの中性子実験装置に対しては、図面を再確認し遮へいの再計算を行い、原因を考察した。そして、測定結果を元に、原因を究明し、対策を施すことで、1MWのビーム運転においても、全ての中性子実験装置で、十分に低い線量を担保できる見通しを得た。

口頭

MLF低温水素システム用ヘリウム冷凍機の性能回復への取り組み

麻生 智一; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; 武藤 秀生; 青柳 克弘; 野村 一隆; 高田 弘

no journal, , 

物質・生命科学実験施設(MLF)の核破砕中性子源では、ターゲットで発生した高速中性子を冷中性子に冷却するために、超臨界圧(1.5MPa)の低温水素(18K)を3基のモデレータに供給し、発生する核発熱(約3.8kW)を強制方式で冷却する。水素系の冷却はヘリウム冷凍機で行う。これまで、中性子利用実験のために約2-3ヶ月の連続運転を行ってきたが、2015年から冷凍機内の熱交換器と内部吸着器(ADS)で運転中に圧力損失が増加し、冷凍機の冷却性能が低下して長期間の安定運転に支障を来す状態となった。冷凍機昇温後の運転再開時には圧力損失は解消されることから、水分や窒素などの不純物が原因と考え、熱交換器とADSの再生などの対策を施したが、状況は改善されなかった。一方、熱交換器入口配管で紫外光による油の反応があったため、油の蓄積が原因となり得ると判断し、2016年夏季保守期間に、熱交換器をフロン洗浄してADSを新品に交換した。11月から再開した運転では、圧力損失の増加は生じていない。

口頭

ダイナミクス解析装置DNAの実用化

柴田 薫

no journal, , 

平成28年度技術賞受賞記念講演「ダイナミクス解析装置DNAの実用化」と題して、日本原子力研究開発機構J-PARCセンターが共用装置として、物質・生命科学実験施設MLFの結合型モデレーター中性子源を臨むBL02ビームラインに設置した、micro eVオーダーの高エネルギー分解能で広帯域(-400 $$<$$ E/micro eV $$<$$ +600)に亘る非弾性・準弾性散乱測定を高S/N比($$>$$ 100000)で実現したSi結晶アナライザー背面反射TOF型高エネルギー分解能分光器DNAの開発研究及び、現在の仕様・性能について測定・研究の応用例を交えて紹介する。

口頭

MLF中性子源の水素モデレータ用ヘリウム冷凍機の性能回復

麻生 智一; 勅使河原 誠; 長谷川 勝一; 武藤 秀生; 青柳 克弘; 野村 一隆; 高田 弘

no journal, , 

物質・生命科学実験施設(MLF)の核破砕中性子源では、水銀ターゲットで発生した高速中性子を冷中性子に冷却する水素モデレータを、水素循環系を通してヘリウム冷凍機で冷却している。本冷凍機は、中性子利用実験のためにこれまで約2-3ヶ月の連続運転を行ってきたが、2015年から冷凍機内の熱交換器と内部吸着器(ADS)で運転中に圧力損失が増加し、冷却性能が低下したため、長期間の安定運転に支障を来す状態となった。運転再開時には圧力損失は解消されることから、水分や窒素等の不純物が原因と考え、活性炭吸着器の活性炭の交換や熱交換器及びADSの再生などの対策を施したが、状況は改善されなかった。一方、コールドボックス入口フィルタなどで紫外光による油の反応があったため、圧縮機からの油の蓄積が原因となり得ると判断した。2016年夏季保守期間に、熱交換器をフロン洗浄し、ADSを新品に交換した。この結果、11月からの運転では、約7週間冷凍機を稼働しても圧力損失は増加せず、冷却性能が回復したことを確認できた。

口頭

大強度利用へ向けたMLF実験ホールにおける管理区域区分変更

原田 正英; 川上 一弘*; 相澤 一也; 曽山 和彦; 佐藤 浩一; 増山 康一; 春日井 好己

no journal, , 

物質・生命科学実験施設において、大強度の中性子照射による試料の高度の放射化や不純物や付着物による放射能汚染など、放射線安全の観点から取扱いに関する管理の強化が必要となった。また、気体状や液体状の試料の使用や試料周辺雰囲気としての特殊ガスの使用においても、その使用制限を緩やかにして、より良い実験環境を提供するとともに、それらを利用する実験を促進することも重要となってきた。これらを踏まえ、利用者の安全性を確保しつつ、利便性を考慮した検討・準備を進め、2016年11月より、MLF実験ホールを第2種管理区域から第1種管理区域表面汚染低減区域に区分を変更した。表面汚染低減区域では、基準以下の表面汚染状態に管理することで、防護衣の着用を省略できる。区分の変更にあたり、入退機器の導入、各BLへの線量率計・表面汚染計の整備、入退域方法の変更、専用RI靴への履き替え、廃棄物の管理方法の変更、搬出物品に対する汚染検査の適用などを実施した。なお、夏期メンテナンス期間には、第2種管理区域へ区分変更を行うことを予定している。

口頭

MLF装置制御ソフトウェアフレームワークIROHA2の現状2017

中谷 健; 稲村 泰弘; 森山 健太郎*

no journal, , 

装置制御ソフトウェアフレームワークIROHA2はJ-PARC, MLFの共用ビームラインのいくつかに導入され、実運用されている。IROHA2ではデバイス制御, 装置管理, シーケンス管理, 統合制御といったサーバーが連携して実験機能を提供しており、各サーバーはWebブラウザ上で操作可能である。IROHA2は2016年からの開発により、(1)デバイス制御サーバーの実時間データ処理インターフェース、(2)シーケンス管理サーバーの自動測定スクリプトWebインターフェース改良、(3)実験ステータスのインターネットからの監視、を実装しようとしている。(1)により、DAQミドルウェアが採用するのと同じ分散メッセージングミドルウェアを用いて、ファイルを介さずにリアルタイムにデータを処理することが可能になる。(2)では、従来装置制御のみであったシーケンス管理サーバーによる自動測定について制御と解析を組み合わせた自動実験を可能にする。(3)では、統合制御サーバーが生成する実験ステータスについて、MLF統合認証システムによる権限管理下でインターネットからのアクセスを可能にする。本発表では、これらの新しい機能の実装状況と今後の展開について示す。

口頭

物質・生命科学実験施設における陽子ビーム窓交換作業

大井 元貴; 細川 英洸*; 西川 雅章*; 福田 真平; 勅使河原 誠; 明午 伸一郎; 高田 弘

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の核破砕中性子源では、中性子を発生させる中性子標的等をヘリウムベッセル内に設置している。一方、3GeVシンクロトロンからMLFの中性子源まで3GeV陽子ビームを輸送するビームラインは10$$^{-5}$$Pa以下の超高真空に保たれている。このビームラインとヘリウムベッセルを隔離するために陽子ビーム窓が設置されている。陽子ビーム窓は、窓材のアルミ合金の放射線損傷のため、1MW出力の運転において2$$sim$$3年の周期で交換する計画である。2017年夏の保守期間において、2号機から3号機への交換を行った。放射化したビーム窓の移動には、遮へいキャスクを使用し、また、冷却水, 真空、およびピローシール加圧配管等の着脱は、遮へいプラグ上部でハンズオン作業で行った。冷却水中には、5$$times$$10$$^{4}$$Bq/ccのトリチウムが含まれているため、交換前に配管内を乾燥させ、配管着脱時には、放射性物質の飛散防止対策として、作業エリアにグリーンハウスを設置し、局所排気を施した。本発表では、陽子ビーム窓交換作業とその安全対策について報告する。

口頭

中性子標的容器の高出力対応化の現状

羽賀 勝洋; 涌井 隆; 若井 栄一; 直江 崇; 粉川 広行; 高田 弘

no journal, , 

現在運転中の中性子標的容器は、熱応力の制限から利用運転に供する最大出力を700kWとしているが、次の標的容器では、J-PARCの目標である1MW運転を可能とするため、熱応力を低減する新たな冷却水流路と構造の設計を行い、現在製作中である。新しい設計では、発熱密度の高い標的前半部で水銀容器と保護容器を分離し、保護容器の冷却水流路の配置を最適化することで、容器の熱膨脹差で生ずる熱応力を大幅に低減している。また、全体の部材数を減らすように製作設計を行い、各部材はワイヤー放電加工を用いてブロック状の材料から成型することで溶接箇所を大幅に減らした。一部の溶接は電子ビーム溶接を新たに導入し、溶接に伴う変形・残留応力を低減した。さらに、製作工程で放射線検査、超音波検査を積極的に導入し、溶接部の健全性を確認している。圧力波によるキャビテーション損傷に関しては、150kW$$sim$$200kWの出力で使用した使用済み中性子標的容器から試験片を切り取って損傷深さを計測し、気泡の無い条件における損傷予測の精度を向上させるデータが得られた。

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